それは、私が高校1年生のとき。
家庭科の授業が終わって被服室から自分たちの教室に戻ってきたときに起きました。
裁縫箱を持って自分の机に向かって歩いていると、男子生徒の誰かがぼそっと言いました。
「揺れてる…」
は?と思った次の瞬間、足元からゴゴゴ…という地響きのような音がして地面が大きく揺れました。
地震だ!
すぐに机の下にもぐるべきでしたが、両手で机を抑えてただただ立っていることしかできませんでした。
なにしろその当時、こんな大きな地震を経験したことがなかったのです。
1983年5月26日 日本海中部地震
最大震度は、秋田市で5。
この地震では津波が、その日遠足に来ていた13人の小学生など、多くの命を奪いました。
当時、「日本海では津波はおきない」と言われていたこともあって、衝撃的なニュースになりました。
地震の後、授業は自習になって、帰りの交通手段(バスや鉄道)の確認などで職員会議が行われていたと記憶しています。
家に帰り、テレビをつけるとどのチャンネルも緊急報道番組で、地元局のアナウンサーが、自分が映っていることに気付かず原稿をクシャクシャに丸めて投げ捨て、モニターを見て慌てて笑顔を作っていたことをよく覚えています。
パートに出ていた私の母は、当時、揺れとともに商品棚がズズッズズッと近づいてきて怖かったと言っていました。
私の住んでいる地域は内陸で震源から離れていたため、それほど大きな被害はでなかったと記憶しています。
その後、2008年の岩手宮城内陸地震や2011年の東北地方太平洋沖地震など、実際に経験した大きな地震がいくつかありましたが、私の中で「地震は怖いもの。いろんなことに影響を及ぼすもの」ということを身をもって知った初めての経験でした。
そういえば今日5月26日は、秋田県では県民防災の日と制定されています。
あらためて、防災について考えなくては。