朝ごはんの支度をしていたら、じいさんが台所(ダイニングキッチン)に来ました。
「あ、もう少しでご飯できるから待って」
じいさんは自分の部屋に戻りました。
テーブルに茶碗や箸、漬物やおかずを並べ、仏壇にご飯を供えてじいさんに「ご飯できたよ」と声をかけました。
少し経ってじいさんが台所に現れました。
自分の席に着く前に、なぜか冷蔵庫を開けに行きました。
ん?
ビールを出そうとしてる?
「じいさん、今、朝ごはんだからビールは飲めないよ。今日は病院に行く日だべ?」
冷蔵庫から缶ビールを取り出しかけて、じいさんの動きが止まりました。
「今、朝の7時だよ」
「あ?今ばんげ(夜)だと思ってた」
「朝からビール飲むんだか?これから病院さ行くんだから、飲まれないよ」
「…ああ?」
すでに朝ごはんに手を付けていたダンナと私は顔を見合わせました。
どうやらじいさんは時間の認識が12時間ずれていたようです。
そのあとは、じいさんはしっかりと朝ごはんを食べ、出勤するダンナの車に乗って(会社の近くなので送ってもらう)病院に向かいました。
…じいさん…まさか、ボケたんじゃないよな?
なんてことが頭をよぎりましたが、たまたまだと思いたい。
いや、以前にもこんなことがあったけど、何年か前の話だし。
一日中テレビを見て、たまに新聞を見て、寝て…
そんな生活が続いているじいさん。
あまりにも刺激がなさすぎて、このままじゃ認知症になっちゃう?
決まった時間に決まった場所へ行くという、刺激が必要なんじゃないかと思い始めました。
今のところ、要介護や要支援には該当しないので、普通のデイサービスのようなところは利用できません。
介護予防のデイサービスが利用できればとは思いますが、当のじいさんがそれを望むかというと…。
雪がすっかり解けたらじいさんもきっと畑仕事に精を出すはず。
日中、太陽の光をしっかり感じて適度に体を動かせば、体内時計の時間がずれるようなことはなくなる…と思いたいところです。
しばらくは様子を見て、いよいよ怪しくなったら地域の介護相談を利用しようかと思います。