お気楽主婦の日常

東北の田舎に住む、ごく普通のおばちゃんの日常や思い出話

年を取るということ

先日、親戚のおじさんが夫に「話がある」とやってきました。

まだ終業前の時間だったので、今はいないことを告げ、帰ってきたら来たことを話しておくと言うと、夫が帰ってきて少し経った頃にまたやってきました。

2人は外で何やら話した後、おじさんの車に乗ってどこかへ行き、10分後に帰ってきました。

 

夫に「何の話だったの?」と聞くと、身に覚えのないことを「お前の家の誰かがやったんじゃないか?」と疑われたと言います。

「どういうこと?」と聞くと、どうやらおじさんの挙動がおかしい、なにか勘違いしているようだと。

 

夕食時にじいさんにこのことを話すと、「疑われるようなことはしていないし、そもそもそんなものはない」と言います。

親戚のおじさんは70代前半。

早い人では認知症の症状が出ることもありえます。

後で奥さんや家族が何か話すかもしれない…と、その日はそれで終わりました。

 


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一昨日の昼間、またおじさんがやってきました。

平日の昼間に、勤め人である夫がいるわけがありません。

ちょっと考えればわかることです。

この時点で、おや?と思いました。

要件は先日と同じ。むしろこの前よりさらに状況がひどくなっているという訴え。

じいさんを呼んで一緒に応対し、それは事実ではないと説明しましたが聞く耳を持ちません。声を荒げて「お前ら以外に誰がそんなことするんだ!」と怒り出しました。

つられてじいさんも、「うちにはそんなことをする者はいない!警察にでもどこにでも言ってくれ!」で火花バチバチ

いかん。ここは二人をクールダウンさせなくては。

「うちにはそんなことをする人はいないし、親戚なのに疑われるなんて、悲しいですよ。」

私がなんとか絞り出した言葉に、おじさんの熱は冷めていったようでした。

「疑って悪かった。許してな。」と言って帰っていきました。

 

じいさんはそれでは収まらず、身の潔白を証明する資料集めに出かけました。

そして、それを元に昨日の朝、おじさんの家に出かけていきました。

 

このやりとりを聞いて驚いたのはおじさんの家族です。

 

今日、奥さんと娘さんが「うちのお父さんが迷惑をかけてすまない」と我が家に来ました。

聞けば、去年から挙動がおかしくなり、かかりつけのお医者さんから脳を撮影して診断できる医院を紹介してもらったとのこと。

年齢の割に認知症の進みが早いとも言われたそうです。

そして、それを家族の中でだけの秘密にしていたそうです。

 

「事情が分かればこちらもそれなりの心構えで応対できるから、隠すことはない。むしろ教えてくれてありがとう」と私は言いました。

家族だけで抱え込むとつらいだろうから、福祉の窓口で相談したり頼ったりしたほうがいいとも伝えました。

 

おじさんや奥さんにもプライドがあって、もしかしたら認知症を認めたくなかったり周りに知られたくなかったりしたのかもしれません。

でも、周りと情報共有したほうが、ことが悪いほうへ進むのを防げるかもしれない。

と、私は思います。

何せ、おじさん、自分で車を運転して我が家に来たんですから。

一日も早く、おじさんに適切な治療や措置が与えられますように。(運転免許返納とかも)

 

遠いような近いような親戚の、ヨメの私はそう思うのでありました。

注:この場合のヨメは、「その家の息子の妻」という意味です。

 

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#高齢者 #認知症